| 研究課題/領域番号 |
11695087
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| 研究機関 | 徳島大学 |
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研究代表者 |
伊東 進 徳島大学, 医学部, 教授 (70093838)
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| 研究分担者 |
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
清水 一郎 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (10178965)
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| キーワード | 肝細胞癌 / HCV / HBV / HCVコア領域 / 遺伝子変異 |
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| 研究概要 |
中国江蘇省南通は世界有数の肝癌多発地区である揚子江下流域内に位置すると共に、B型肝炎ウイルス(HBV)高浸淫地区である。江蘇省南通医学院と徳島大学医学部とのこれまでの共同研究から、同地区の供血者におけるC型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性率は0.7%、この内輸血歴を61.4%に認めており、日本とほぼ同様な存在状況を示していると考えられた。さらに、HBV陰性の肝癌患者血清からゲノタイプII型のHCV株の分離に成功し、報告されている北京型や台湾型HCV株よりも日本型HCV株により高い相同性を示した。同時に、この南通型HCV株のコア領域に特定の高変異領域(第二親水性ドメイン内のコアアミノ酸残基39〜76番:CRVと命名)が存在することを明らかにした。今回、同地区のHBV陰性の慢性肝炎と肝硬変患者血清のHCVコア領域CRVのアミノ酸変異率が肝障害の進展と共に上昇すること、徳島大学医学部で肝癌にて切除した癌部、非癌部の肝組織中のHCVコア領域CVRは癌部でよりアミノ酸変異を伴う塩基置換が高率に出現すること、さらに、コアの第45アミノ酸残基グリシンのセリンへの変異が癌部で少ないのに対して非癌部の大半で認められることを明らかにした。以上の所見は、HCVコア領域の遺伝子変異が肝発癌と何らかの関連性を有する可能性を示唆するものである。今後さらに、HBV同時存在や多飲によるHCV変異への影響やその相互作用に関して検討を重ね、肝癌の高危険群におけるHCVの特異性と肝発癌機構との関連性を明らかにする。
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