研究課題/領域番号 |
11695089
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
西薗 秀嗣 鹿屋体育大学, スポーツトレーニング教育研究センター, 教授 (10125338)
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研究分担者 |
金高 宏文 鹿屋体育大学, スポーツトレーニング教育研究センター, 助教授 (40214928)
山本 正嘉 鹿屋体育大学, スポーツトレーニング教育研究センター, 助教授 (60175669)
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キーワード | 発育期 / 基礎体力 / 競技力 / 超音波法 / 筋腱複合体 / トレーニング |
研究概要 |
ヒトの第2次性徴期において骨・筋・腱等の運動器が、運動機能と関わりどのように変化するかは、トレーニング強度の設定、スポーツ障害予防の観点から重要である。特に跳躍等の無酸素性パフォーマンスと筋や腱の形態(筋腱複合体)及び収縮要素と弾性要素に関する点については不明な点が多い。本研究では中国側は上海体育学院付属競技学校生徒男子と普通科の小・中・高校生、日本側は跳躍系の部活生徒と非運動群について、9から18歳までの男子を3群(およそ小学期、中学期、高校期)に分け、超音波法により縦・横断的な下腿三頭筋・腱の発育の過程を計測し、成長期におけるジャンプ能力との関係について検討した。トレーニング群での日中間では、9-12才群では身長、体重で両国間に顕著な差は認められなかった。しかし13-15才群、16-18才群と発育するにつれ、身長で中国が平均値で約7cm程高く、日本では発育が中国に比較し遅れていると考えられた。下肢長で差が大きく、下腿長で顕著な差が認められなかった。それにもかかわらず下腿腱長に関しては中国で腓腹筋腱長で約1-2cm大きいことが観察された。リバウンドジャンプでのRJ指数はほぼ同様で約2.0であった。本研究によって、下腿腱の断層図の分析から、腱長に差が認められ、日中の競技選手のジャンプ能力に反映することが示唆された。垂直跳びは普通科群と較べ、小、中、高の順で差が大きく、伸びも同様で最大で6cm伸びた。リバウンド跳躍能力は小・中群で差が認められたが、1年間の伸びは少なかった。中国の跳躍系の競技選手のジャンプ能力はコントロールと比較し優れており、下腿腱の形態発育もよかった。これまで、腱組織の柔らかいこと(コンプライアンス:腱の伸長量/筋力比)が跳躍能力に関係するが、トレーニングにより変化することが報告されているが、今後、発育に伴う筋と腱の形態的・機能的変化を把握し、運動刺激を与える重要性が指摘された。
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