東邦大学とアルバータ大学間の協力体制を確立するために山村がアルバータ大学をおとずれバチンスキー教授と今後の研究の発展内容について検討した。また、その際にアルバータ大学薬学部で使用しているテキストの多くを現地で購入して日本に持ち帰り、さらに現地で購入できなかったものについては日本に帰国後購入した。日本とカナダの教育内容、教育方法の違いについて山村と百瀬が協力し東邦大学薬学部で利用できる範囲を検討した。その結果、日本の薬学部に欠ける内容はPharmaceutical Careの実践のための講義、演習であった。また、システム的には薬剤師の地位向上のためにはテクニシャン制の導入の必要性も指摘された。また、これまでの数年に一度行ってきたアルバータ大学教員によるアルバータ大学教員による大学院学生に対するPharmaceutical Careの講義を継続して行った。その際、大学院生とアルバータ教員との間でコミュニケーションを十分にするための情報共有が重要であり、そのためのツールとしてインターネットを経由した情報共有システムを導入した。これによって、時間差はあるもののほぼリアルタイムでの日本とカナダとのやりとりが可能になり、学生の理解力の強化に役立てることができた。さらに、薬学部と医学部との連携の重要性が指摘されたことを受け百瀬が富山医科薬科大学で行われている医学部と薬学部との共同授業の内容を視察した。薬学部の卒業生が医師に対して意見を言えるようになるための必要な知識として統計学があげられ、必要なソフトウェアの購入と導入教育の実践を行った。来年度は、アルバータ大学からの教員の招聘によって薬物治療学とPharmaceutical Care教育の実践を行う予定である。
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