研究概要 |
平成11年度の研究実地計画中にある炎症、発熱、疼痛に関与する酵素であるcyclooxygenaseI,II(Cox1,Cox2)及び発癌に関与するといわれているtyrosine kinaseをインターネットを介して蛋白データバンク(URL=http://www.rcsb.org/pdb/cgi/queryForm.cgi)からダウンロードした。それらをinsightIIを用いて、水素の付加、電荷の付加等を行いコンピュータドッキング可能な状態に編集した。そのcyclooxgenaseに対する阻害モードの探求と、Cox1(正常な生体機能を保持する良質の酵素と言われている)に影響を与えることなく、Cox2(炎症発現に関与する酵素であるといわれている)を阻害することを可能にするコンピュータドッキングの選択性の確定を完了し、次の頁に示すごとく、J.Chem.Softwareに投稿、受理,掲載された。Lck tyrosine kinaseにおいては文献(M.S.Smith et al,J.Med.Chem.1993,36,3010-3020)に報告されているlavendustin誘導体を用い、阻害モードを探索した。また、類似の阻害候補物質を24万種類の化合物を有するACD(Available Chemical Database)で検索したAC-SER-GLN-ASN-TYR-OHをコンピュータドッキングしたところ、その物質は阻害部位に対し12個の水素結合を有する優れた阻害物質であることが判明した。
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