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1999 年度 実績報告書

色覚障害者と健常者の視覚系における色度および輝度処理の相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11710041
研究機関北海道大学

研究代表者

川端 康弘  北海道大学, 文学部, 助教授 (30260392)

キーワード色覚障害者 / 色順応 / 選択的順応 / 飽和度 / 空間周波数 / コントラスト感度 / 等輝度事態 / 色システム
研究概要

本研究の目的は、人間の初期視覚系において、色情報を処理するシステムと輝度情報を処理システムという2つのモジュール間で相互作用がおこる過程について、とくに両者の時空間的な特性の違いを考慮しつつ、実証的知見を入手することである。本研究ではとくに、色および輝度順応レベルの変化と空間周波数に対する選択的順応という2つの順応事態におけるいくつかの組み合わせで実験を行う計画であった。今年度はまず平均の飽和度を変化させ、様々な色順応レベルで色度コントラスト感度(CSF)の測定を行った。その結果健常者では、平均の色度レベルが変化するとCSFの形状が変化することがわかった。結果からは感度の変化だけではなく、ピーク感度のシフトも観察された。平均色度レベルが上昇するにつれ、感度は低下し、ピーク感度はやや高空間周波数側にシフトする。ただし輝度のCSFにおけるピーク感度ほど高い空間周波数ではない。一方色覚機能障害者で2色型第2視覚の被験者では、赤-緑系の平均色度変化に伴うCSFの変化が健常者ほど大きくない。ただし青-黄系については健常者とほぼ同じである。次に特定の空間周波数で高いコントラストを持つ等輝度の色格子に対して選択的に順応した後に、色・コントラスト感度(CSF)の測定を行った。これに関しては実験がまだ途中であり、順応光が赤色格子の条件のみデータを入手している。その結果、順応刺激と同じ色相(赤)のテスト格子を用いた条件でのみ、CSFの感度低下が見られた。また順応刺激の空間周波数に選択的な感度の低下が見られ、他の周波数では感度の低下があまり顕著ではない。今年度はまだ色覚機能障害者のデータを入手していないが、来年度は障害者のデータも入手し、健常者のものと比較検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 川端康弘: "方向随伴順応後の色コントラスト感度"日本心理学会第64回大会. 発売予定.

  • [文献書誌] Yasuhiro Kawabata: "Spatial Contrast Sensitivity with Chromatic Stimuli"XXVII International Congress of Psychology. 発売予定.

  • [文献書誌] 川端康弘(分担執筆): "「色覚の時空間周波数特性」、視覚情報処理ハンドブック(印刷中)"朝倉書店.

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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