研究概要 |
今年度は,日本における喫煙文化に関する基礎的資料の収集を行なうことを主たる目的とした。 まず,渋谷を中心とした東京の都心部およびミナミ周辺の大阪の都心部において,中学生・高校生の実態を路上観察し,可能な場合はビデオに録画した。これには,喫煙シーンも含まれている。しかし,この観察の目的は,タバコが彼・彼女らの生活シーンにある程度溶け込んでいることを確認するためのものであり,青少年の喫煙行動を直接的に把握しようとしたものではない。 次に,これと平行して,雑誌,およびマンガ雑誌中でタバコや喫煙行動が,どのように扱われているかを検討していくための基礎資料の作成を行なった。具体的には,中学生・高校生を主たるターゲットとして想定し,編集・発行されている雑誌とマンガ雑誌,および主たるターゲットとして想定されているわけではないが,その年齢層の青少年が購読しそうな雑誌・マンカガ雑誌を1999年11月から12月の1ヶ月間にわたって収集し,それら雑誌中のタバコ・喫煙行動に関連することがらが写っている写真,記事や小説中の描写,マンガの中のシーン,タバコ関連商品の広告などをチェックし抽出した。 その後,チェックした個所をスキャナで読み取り,少年・青年雑誌,少年・青年マンガ,少女雑誌,少女マンガの4カテゴリーに分け,画像とともに簡単なコメントを付してデータベース化した。 データベース化された項目数は,少年・青年雑誌が208項目,少年・青年マンガが435項目,少女雑誌が121項目,少女マンガが171項目であった。現在は,データベース化された画像ファイル群の分析中であるが,データ量からみると,少年・青年マンガの項目数が圧倒的に多いことから,少年・青年マンガにおいて,喫煙に関連するシーンが特別な扱われ方をしていることがわかり,青少年に与える影響について予想することができる。
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