本年度は主に国際社会におけるグローバリゼーション・プロセスの進行と宗教との関連について考察する上で基礎的となる文献の収集とその分析・考察に取り組んだ。グローバル化が様々な形での宗教の復興をもたらしているという。こうしたテーマについては、とりわけ欧米圏において近年非常に多くの研究が行われており、それらのうち代表的と思われるものだけに絞ってもかなりの数にのぼる緒果となった。具体的には、R.Robertson他編の"Religion and Global Order"、B.Misztal他編"Religion and Politics in Cowparative Perspective:Revival of Religion"や、また近年の宗教復権現象によって現実的にはその問題性が露呈してしまったが、依然として重要な理論的インパクトを持っている。世俗化論について論じたG.Dekker他編"Rethinking Secularization:Reforwed Reactions to Modernity"やJ.K.Hadden他編"Secularization and Fundamentalism Reconsidered"、またグローバル化に対する伝統的宗教の側からの対抗運動の意味を強く持つファンダメンタリズムの問題について、B.Lawrence"Defenders of God:The Fundermntalist Revolt Against the Modern Age"、更にボーダレス化に伴い先進諸国の中で着実にその力を強めている。新しい宗教の形である二ューエイジの問題について、W.Haneguaaff"New age Religion and Western Culture"などの研究を検討・考察した。
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