研究概要 |
本研究の目的は、高等教育の量的拡大期にあり民営化の著しいアセアン諸国において政府・民間・個人の各主体がいかなる役割分担を持って高等教育の財政基盤を形成しているのかを多角的に分析し、今後の政策課題を明らかにすることである。そこで、本年度は以下の研究を実施した。なお、研究申請時にはインドネシアも現地調査対象国としていたが、外務省による海外危険情報の対象国になったことおよび配分額が縮小されたことを考慮して、本年度の渡航は控えた。 1,国内調査 国内の図書館および関連する援助機関の事務所を訪れ関連資料を収集し、批判的検討を行った。また、アセアン諸国の関連機関のホームページより情報を収集した。さらに、平成11年7月17日と18日および12月11日に大阪で開催されたフィリピン研究会に参加し、本研究の中間報告と討議を行った。 2,フィリピン現地調査 平成11年8月6日から8月18日まで現地調査を実施した。教育省、高等教育委員会、フィリピン大学、アジア開発銀行等を訪問し、面接調査および資料収集を行った。近年の大学改革、高等教育開発基金、私学助成、営利系大学、大学評価、援助機関の動向に関する現状と課題が明らかにされた。 3,タイ現地調査 平成12年1月31日から2月7日まで現地調査を実施した。大学省、チュラロンコーン大学、ユネスコ地域事務所等を訪問し、面接調査および資料収集を行った。近年の大学改革、通貨危機が大学に与えた影響、省庁改編の動向、私学助成、大学評価、援助機関の動向に関する現状と課題が明らかにされた。
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