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本年度は2年計画の第1年目であった。弥生時代から古墳時代の近畿地方における親族構造を明らかにするため、近畿地方出土の人骨を調査した。本年度はとくに古墳時代に焦点をあてて調査を行った。
近畿地方の古墳人骨については集成を終了し、人骨保管機関に赴いて計測を行った。その結果、同一墳丘に葬られる複数の被葬者の間には血縁関係が認められることが多いことを明らかにした。これは九州・中国地方で認められる現象と一致する。近畿も九州や中国地方と類似した親族構造であったと考えられる。
これまで検討されてきた人骨は、非首長階層のものばかりであった。しかし、いくつかの首長墓においても、同一墳丘上に葬られた人物間に、血縁関係が認められた。こうしたことから、首長層から家族墓に至るまで、同一墳丘には親族関係を有する集団が葬られていたものと思われる。
残りの研究期間は、人骨の非計測的形質についても調査を進めたいと考えている。埋葬施設の検討も進めて、埋葬施設において、被葬者の出自を示す属性が存在するかどうかを調査する予定である。
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