1 浮世草子研究文献目録作成へ向けて (1)協力者同士でデータをやり取りするため、コンピューターを購入。インターネットに接続し、環境を整えた。 (2)浮世草子に関する研究論文の現物コピーを集めるため、学生アルバイトを使って、国会図書館と国文学研究資料館の図書・雑誌の閲覧・コピー手続き等の作業を集中的に行った。 2 多田南嶺の研究 (1)八文字屋木の南嶺作と推定される作につき、真に南嶺作か否かを認定するためには、南嶺の学問的著作や 随筆(大部分は写本で伝わり未翻刻)との比較考察が欠かせない。そこで、東北大学・九州大学等の図書館へ赴き、南嶺の著作である写本の調査や複写を行った。 (2)南嶺の浮世草子の代表作である気質物の4作(『鎌倉諸芸袖日記』『大系図蝦夷噺』『教訓私儘育』『世間母親容気』)と、噺本・落語等の笑話が、モチーフ・話型において密接な関係にあることを調査し、論文にまとめた。平成12年4月刊行予定の『江戸の文事』(延広真治編、ぺりかん社)に「南嶺気質物と笑話」の論題で掲載される。 3 新年度の計画 其磧・南嶺の浮世草子作品の本文データ化の作業や、未翻刻浮世草子の複写収集は、あまり進んでいない。本年度は是非進めて、索引作りや文体研究等につなげたい。
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