(1)海住山寺文書の調査については、準備段階から進めていた文書調査を継続して行い、成果の一部を「貞慶伝とその周辺-海住山寺文書をめぐって-」(『佛教文学』第二十四号)として纏めて発表した。調査未了の部分は、残存する書簡類の調査および研究となっている。 (2)神奈川県立金沢文庫保管聖教の調査については、準備段階から進めている目録調査で、南都に関わる書籍の選別を行った。東大寺より称名寺に入寺した湛睿関連の典籍を中心として、先行調査を踏まえた確認作業および複写による文献収集を継続している。また、説話文学会・佛教文学会共催による、東大寺弁暁草関連の金沢文庫保管聖教調査報告会に出席して、今後の調査に役立てるべき知見を得た。 (3)真福寺蔵聖教の調査に関しては、黒板勝美博士作成の目録による、南都関連聖教の選別作業を進めるとともに、真福寺との関わりが窺われる猿投神社文書についての概略を調査して知見を得た。 (4)東大寺図書館の調査については、周辺諸領域の研究者との意見交換の場を設けて、翌年度の調査に関する準備を進めた。
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