本年度は、都市システムの自己組織化分析に用いる理論モデルの構築、および、その理論モデルに基づく数値シミュレーションプログラムの整備を行った。 1)都市システムの自己組織化を直接的に与える理論モデルを構築 都市の人口規模・位置・数・産業構造が内生的に決定される一般均衡モデルを構築した。これにより、都市間貿易・人口および企業の移動を通して、ミクロ的基礎に基づく都市システムの自己組織化を表現することが可能になった。この理論モデルは、来年度に本格化する、都市システムの構造法則性の創発メカニズムに関する分析において、基本モデルとして用いる。モデル開発における各段階での結果は一部、雑誌等にて公表された(項目11参照)。 2)構築した理論モデルのシミュレーションプログラムの作成および整備 (1)において構築した理論モデルを用いて、都市システムの自己組織化過程を数値シミュレートすることを可能にするプログラムの作成を行い、数値シミュレーションの試行を繰り返すことによりプログラムの整備を完了した。
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