研究概要 |
本研究は,貿易政策理論と純粋ゲーム理論との両面から議論を整理し,最終的にはこれらを統合してゲーム論的貿易政策理論に関する基本モデルを構築することを目指している。本年度の研究実績は以下の通りである。 1.まず貿易政策理論の観点から,国際連合やWTOなどの国際機関において現に定められている各種の制度・ルールの運用形態・国際経済関係に対して果たしている機能について文献による調査を行った。 2.ゲーム理論の観点から,囚人のジレンマと呼ばれる特徴を有する戦略型ゲームにおける安定集合の存在条件を明らかにした。 3.上記の戦略型ゲームにおける安定集合と社会的に望ましい性質とされるパレート効率性との関係を明らかにした。 4.貿易自由化政策という具体的な問題に対して,安定集合アプローチを適用して,その帰結を明らかにした。
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