研究概要 |
平成11年度では,研究に用いる利益予測データベースの構築を行い,アナリストによる利益予測の評価に関して研究を行った.分析結果から,わが国のアナリストによる利益予測の特徴として, (1)圧倒的に東証第1部上場銘柄に集中. (2)日経平均採用銘柄に集中. (3)企業規模(時価総額)大きい企業に集中. ことが分かった.また,アナリスト予測の精度を予測誤差を定義することで計測したところ, (4)決算期が近づくにつれ,予測誤差が減少する.特に前年度決算報告,当期中間決算報告時に大きな修正が行われる. (5)アナリスト予測は全般的に楽観的な予測(正の予測誤差)を行うのに対し,負の予測誤差は精度が高い. (6)アナリスト数により予測誤差に差が存在する. などが明らかとなった.現在,同じデータベースを用いて,過年度の利益額の実績,または予測値と当期の予測の関連性について分析中であり,さらに12年度からは個々のアナリスト予測情報のデータベースを用いてさらに詳細な分析,また,アナリスト予測と証券市場における情報効果等について分析を予定している.
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