ワーリング問題については、特殊な4次恒等式に着目することにより、5個の4乗数の和で表される自然数の個数の評価を大きく改良し、それに基づき11個の4乗数の和など、4乗数を含む加法的問題についての進展をみた。その方法は4乗数が関わる他のいくつかの注目すべき問題にも応用が可能であり、その方向の研究は現在も継続中である。 ワーリング・ゴールドバッハ問題については、4乗数および5乗数の場合に、それぞれ成果を得た。S【greater than or equal】15のとき、必要な合同式条件をみたす十分大きい自然数はS個の素数の4乗の和で表されることが、1940年以前から知られていたが、その後60年以上進展をみていなかった。それに対し、S=14の場合にも同様の結論を証明した。また5乗数の場合についても同様に、これまでの23個という限界を21個まで下げることに成功した。これらの成果についての論文は、現在投稿中である。
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