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1999 年度 実績報告書

双曲的曲線の内在的ホッジ理論

研究課題

研究課題/領域番号 11740017
研究機関京都大学

研究代表者

望月 新一  京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10243106)

キーワード楕円曲線 / 整数論 / アラケロフ理論 / ディオファントス幾何 / テータ関数 / ホッジ理論
研究概要

数年前から継続している「楕円曲線の大域的な比較定理」の研究は、平成11年度中も大きく進展した。まずは、この理論におけるもっとも基本的な定理である、「比較同型の、Arakelov理論的な離散化」の証明を完成し、373ページの論文にまとめあげた。この離散化された比較同型自身も、非常に興味深い研究対象となっていて、楕円曲線の族に付随するKodaira-Spencer射の「数論版」という名に相応しい対象も、この比較同型によってはじめて構成された。
しかし、最終的には、Diophantus幾何への応用が望まれるものであり、そのような応用を実現する上では、様々な障害が依然として残っている。ある視点から見れば、以上の離散化比較同型の応用を阻んでいる一番本質的な障害は、「Gauss極」と称しているものだが、これを部分的に取り除く「技術」として、「theta convolution」というものを開発し、そのtheta convolutionを導入した離散化比較同型の新しいヴァージョンを作ることに成功した。(50ページほどのプレプリントとなった)この新しい離散化比較同型の証明では、Gauss和の面白い性質も出てきて、整数論的には、様々な面白みがあるが、結局この手法では、Gauss極の部分的な除去しか果たせず、応用にただちに結び付く可能性は低いとの結論に達した。
現在取り組んでいるのは、平成11年度秋の、MSRI研究所(米国カルフォルニア州)出張滞在中、およびその帰国直後に思い付いた、以上の研究へのアプローチである。このアプローチの主役は、楕円曲線に入る、ある自然な整構造と、その整構造に密接に関連している、ある接続(connection)である。このアプローチはすでに幾つもの面白い発見をもたらしていて、今後かなりの進展が見込まれるものと見ている。これらの発見については、現在70ページ程の論文を執筆中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] MOCHIZUKI,SHINICHI: "EXTENDING FAMILIES OF CURVES OVER LOG REGULAR SCHEMES"J.REINE ANGEW.MATH.. 511. 43-71 (1999)

  • [文献書誌] MOCHIZUKI,SHINICHI: "THE LOCAL PRO-P ANABELIAN GEOMETRY OF CURVES"INVENT.MATH.. 138,NO.2. 319-423 (1999)

  • [文献書誌] MOCHIZUKI,SHINICHI: "FOUNDATIONS OF P-ADIC TEICHMULLER THEORY"INTERNATIONAL PRESS/AMERICAN MATHEMATICAL SOCIETY. 529+xii (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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