本年度は次の研究をおこなった。 1被覆次元及びコホモロジー次元に関する研究をおこなった。得にANR空間のような局所的に良質な空間における次元のふるまいについて考察した。また、Gromovにより導入された被覆次元のcoarse geometry化であるasymptotic(homological)次元についての性質を調べた。さらに、任意の係数に関してコホモロジー次元のresolutionが存在することが保証できた。その存在性はBockstein groupsと呼ばれるある可換群のクラスについてのresolutionを構成し、非輪状性についての同値条件を見付けることにより得ることができた。 2コクセター群及び双曲群の境界の位相的な次元とそれらの群の代数的な次元に関する関連を研究した。これらに関してA.N.DranishnikovやBestvina等による先行研究がありさらにそれを精密化した。また、コクセター群のfinite indexなparabolic subgroupの境界は、元の境界と同じであることを得た。 1のresolutionについての研究は、すでに論文として学術雑誌に受理されており、1とその他及び2についてはその成果を現在論文としてまとめている段階である。これらの研究においては、この補助金による図書、計算機等の備品及び旅費などの利用をもとにして得ることができた。
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