研究計画調書に従って、コンパクト自己双対多様体に付随するツイスター空間の複素幾何的な構造について研究を行い、次の結果を得た。 1.興味深い性質を持ったツイスター空間の存在定理 その1 F.CampanaとB.Kreussler(Proc AMS 1999)によって、あるコンパクト単連結4次元多様体上に、特殊な興味深い構造を持ったツイスター空間で代数次元が2のものが存在するかどうかという問題が提出されていたが、筆者はこの問題に肯定的な解答を与えた。 証明には筆者が以前開発した手法が有効に使われた。 2.興味深い性質を持ったツイスター空間の存在定理 その2 単連結多様体上のツイスター空間で、その正則な自己同型群が1次元の代数的トーラスになっているものはC.LeBrun(J.Diff.Geom.1991)によるものだけであった。 筆者は、そのようなツイスター空間であってLeBrunのものとはことなるものが存在することを証明した。 さらに、このツイスター空間の代数次元が2であることを示し、代数的簡約を与える線形系を具体的に与えた。
|