高余次元境界値問題の研究においては、当研究者が予想した最も広いクラスの微分方程式系にまで結果を拡張することができ、しかもdistribution解の接続についての結果や、確定特異点的な方程式系についての対応する結果も証明することができた。これらについては今年度雑誌に公表した。また、以上の研究に使用された層のマイクロ台をカットする手法やD-加群の消滅輪体の理論を利用して、微分方程式のCauchy問題の研究に着手した。Deligne氏らによる層の消滅輪体の理論を利用して、微分方程式のCauchy問題の研究に着手した。Deligne氏らによる層の消滅輪体の超局所的構造を解明しその偏微分方程式論への応用を与えた論文を海外の雑誌に掲載予定である。これによりNilsson classの正則関数の枠組みでのRamified Cauchy問題がD-加群(システム)のレベルで完全に解決した。D-加群の特性多様体が特異点を持つ場合への一般化やE-加群に対するCauchy-Kowalevski型定理については論文を執筆中である。後者については杉木氏との共同研究で層のマイクロ台の良い評価が得られたのが問題解決への決め手になった。代数解析と表現論の境界分野については、今年度はまずフランスやアメリカなどで進展している理論全体の詳しい解説を国内の研究集会でおこなった。すなわち旗多様体上の構成可能層を用いた無限次元表現の新しい構成とその幾何学的指標公式についてである。以上の研究活動の他、D-加群の積分変換や特性サイクルの理論の指数定理への応用などの分野について見識をひろめるために、他の研究者と研究連絡をおこなった。
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