研究概要 |
1点穴開きトーラス上の単純閉測地線に対応する元が純双曲的かつ長さが一定という条件で、(1,1)型の擬フックス群の空間の正則なスライスをとる。このときフックス群の空間と交わる成分に、所謂ベアス・マスキットスライスが現れる。この成分は、タイヒミュラー空間内で、与えられた単純閉測地線に対応する有理境界点(カスプ)での、与えられた測地線に対応する接円の外部に対応する。ベアス・マスキットスライスのプリーツ座標は、パーカー・パルコネンとキーン・シリーズによって決定されている。本研究では、一走に保つ測地線の長さが十分短いときは、ベアス・マスキットスライスしか現れないのに対し、測地線の長さが十分長いときは、ベアス・マスキットスライス以外の成分が現れることを奈良女子大の山下靖氏との共同研究で示した。実際、山下氏はコンピューターグラフィックでそのスライスの形状を記述することに成功した。現在、ベアス・マスキットスライス以外の成分が現れるような測地線の長さの値、およびその一意性に関して共同研究を継続中である。
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