• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

反応拡散系の特異極限としての界面ダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 11740100
研究機関岩手大学

研究代表者

飯田 雅人  岩手大学, 教育学部, 助教授 (00242264)

キーワード反応拡散系 / 特異極限 / 界面ダイナミクス / 競争系 / ステファン問題 / 棲み分け / 接合漸近展開法
研究概要

本研究(平成11・12年度)では、方程式同士の相互関係に関する問い:「特異極限というスケール変換を通して、どんなタイプの反応拡散系とどんなタイプの界面の発展方程式が結びつくのか」を理論的に探求する。本年度は、当初の研究計画の遂行順序を少し変更して、棲み分けた2種の生物個体群の間の競争(縄張り争い)を記述するモデルとしてMimura-Yamada-Yotsutani(1985)によって提唱されたStefan型自由境界問題に対して、それを特異極限として表せるような反応拡散系の可能性を追究した。
Stefan型自由境界問題に対して、それを特異極限として表せるような反応拡散系の可能性を追究した。
関連する事実として、固相と液相の間の相転移と熱の流れを記述する古典的な2相Stehan問題がphase field方程式の特異極限として導かれることが知られている。そこでまず、その研究の復習を通して、その事実が成り立つ本質的な根拠を把握し、特異極限の可能性を模索する手段として有効な接合漸近展開法に習熟した上で、その内容を解説記事としてまとめた。この記事は、近々刊行される予定の京大数理解析研究所講究録「短期共同研究:数理物理に現れる非線形発展方程式の特異点の解析的研究」に載る。
この勉強を踏まえて検討した結果、生物の棲み分けに関するMimuraらの2相Stefan問題をphase field方程式とは異なる新たなタイプの反応拡散系からの特異極限と見なすことに成功した。この反応拡散系は、「食料・資源をめぐる競争」の効果と「領域獲得のための競争」の効果を区別して組み入れた競争系モデルとして解釈できる。この競争系モデルに基づけば、Stefan条件に含まれる潜熱パラメータを「領地を開拓・維持・防衛するためのコスト」として無理なく理解できるものと思われる。この結果を、平成11年11月に千葉大学で行われた国際会議FBP99で報告し、論文として現在まとめている最中である。

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi