研究概要 |
本年度及び来年度の研究テーマでは,可測・位相力学系からの部分作用素環の構造解析を目標としています。 研究目的達成のための情報交換・収集等の場として,今年度は九州大学での「日米セミナー」や教理解析研究所での「作用素環論の進展」研究集会に参加しました。また山形蔵王温泉にて第34回関数解析研究会を世話人として主催しました。本年度は残念ながら情報交換等のため外国,特にイタリアやフランスに出かけることはできませんでしたが,次年度には研究成果の発表の場として可能ならば行きたいと考えます。また、本年はアメリカMSRIでの作用素環論の研究集会にも是非参加したいと考えています。 今年度は研究集会での講演・発表は行えませんでした。今回の研究テーマに関連する作用素環のホットな話題である「C *-環の分類理論」や「自由確率論」について大学院生2人と諸結果についての理解に努めました。後者の理解のため東北大学の日合氏を山形大学に招き集中講演を依頼しました。「標準的自己同型写像」についての研究は不十分な状態にあり整理・発表が迫られます。今回の研究テーマでは、「可測力学系」に関する浜地氏の結果を「位相力学系」のカテゴリーで展開することおよび後者のカテゴリーでの部分環の構造解析などが目標となります。これまでのところ満足のいく成果は得られていませんがこれからの一年間で何がしかの結果としてまとめあげたいと考えます。
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