研究概要 |
平成11年度は、コンパクトグラスマン多様体、及びアファイングラスマン多様体上のラドン変換と、高階のパフィアン型微分方程式系との関係について研究を行なった。得られた結果は以下の通りである。 [1]G_<k,n>をR^nに於けるK次元部分空間からなるコンパクトグラスマン多様体とし、R^<p,q> C^∞(G_<p,n>)→C^∞(G_<q,n>)を対応するグラスマン多様体上のラドン変換となる。この時、R^<p,q>の像は、(s:=rank G_<p,n><r:=rank G_<q,n>の仮定の下で)2S+2階のパフィアン型微分作用素の零解の空間と一致する。 [2]ラドン変換の逆像を再構成する問題に於いて、次の形の反転公式を得た。 (仮定)s:=rank G_<p,n>≦r:=rank G_<q,n>,q-pは偶数、この時、DR^<q,p>・R^<p,q> f=f,f←C^∞(G_<p,n>),(Dは具体的に構成された(S+1)|p-q|次のパフィアン型微分作用素) 上記[1][2]の結果は、パフィアン型微分作用素がラドン変換と密接に関係している事を示している。アファイングラスマン多様体の場合も、これに対応する結果を得た。
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