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1999 年度 実績報告書

時間遅れをもつ数理生態系微分方程式の大域的安定性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11740114
研究機関大阪府立大学

研究代表者

馬 万彪  大阪府立大学, 工学部, 助手 (30305651)

キーワード数理生態系 / 微分方程式 / 時間遅れ / 被食者・捕食者モデル / 伝染病モデル / ニューラル・ネットワーク / 大域的漸近安定 / パーマネンス
研究概要

本年度の主な成果は次の(1)、(2)、(3)、(4)である:
(1)時間遅れをもつSIR伝染病モデルにおいて、病気の感染率が中間レベルの場合、病気が終局的にどうなるかを詳しく調べた。すなわち、病気の感染率がある「臨界値」以下の場合、「病気が終局的に絶滅する」という結論を解析的な方法で証明できた。さらに、病気の感染率が高いレベルの場合に対して、時間遅れがある程度小さいとき、「病気が終局的に社会に定着する」という結論も解明できた。
(2)(1)で考えたモデルより一般的なモデル、すなわち、出産率が密度にも依存している時間遅れをもつSIR伝染病モデルにおいて、病気の感染率が低い場合、「病気が終局的に絶滅となる」十分条件を具体的に与えた。また、「病気が終局的に社会に定着となる」ことに関しては、モデルの局所的なダイナミクス性質を調ベ、解の収束領域を与えた。
(3)2次元の時間遅れをもつ捕食者・被食者モデルにおいて、正の平衡点の大域的安定性と時間遅れの大きさとの関係を詳しく調ベ、安定となる必要十分条件を証明できた。その必要十分条件を見つける為に、所属している研究室で開発したコンピューターソフトFDE4RKPとFDE4RKTが重要な役割を果たした。
(4)ニューラル・ネットワークにおいてよく現れるHopfieldモデルについて、時間遅れとネットワークの安定性をLiapunov汎関数方法を用いて調べた。また、研究室で開発したコンピューターソフトFDE4RKPとFDE4RKTを用いて、当該Hopfieldモデルに対し、周期軌道より複雑な解軌道の存在が確認できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takeuchi Y., Ma. W. and Beretta E.: "Global asymtotic properties of a delay SIR epidemic model with varying population size and finite incubation times"Journal of Nonlinear Analysis, Theory, Methods and Applications. (in press).

  • [文献書誌] Takeuchi Y. and Ma W.: "Stability analysis on a delayed SIR epidemic model with density dependent birth process"Dynamics of Continuous, Discrete and Impulsive Systems. 5. 171-184 (1999)

  • [文献書誌] Satito Y., Hara T. and Ma W.: "Necessary and sufficient conditions for permanence and global stability of a Lotka-Volterra system with two delays"Journal of Mathematical Analysis and Applications. 236. 534-556 (1999)

  • [文献書誌] Ma W., Hara T. and Takeuchi Y.: "Stability of a 2-dimensional neural network with time delays"Journal of Biological Systems. (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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