1.AdS_3上のstring theoryを、Liouville theory likeなある種の自由場表示を用いることで解析した。この表示のもとでは、space-timeの共形代数が簡明なDDF演算子として現われ、spectral flowも考慮したphysical spectrumの解析が見易いものとなる。特に、AdS_3/CFT_2対応から期待される高い(space-timeの意味での)R-chargeを持ったカイラル・プライマリーが自然に構成できることを示した。また、space-time CFTのsymmetric orbifoldの構造とspectral flowの関係について議論を行った。 2.孤立有理特異点を持つCalabi-Yau多様体にcompact化されたsuperstring theoryにおけるBPSD-braneの解析をboundary CFTを用いて行った。supersymmetricなboundary stateを用いて、D-braneのperiod(central charge)及び、open string Witten indexを計算し、その結果と幾何学的な計算をつきあわせることにより、boundary stateと特異Calabi-Yauのsupersymmetric cycleの同定を行った。 3.SU(2)WZW模型におけるD-braneの研究を行った。様々なmultiple D0-braneの配位をWilson lineを用いることでboundary stateとして実現し、特にfuzzy sphereに対応した非可換なD0-braneの配位が、適切な共形不変な境界条件を満足し、large k limitのもとでは、spherical D2-braneを記述するCardy stateに帰着することを示した。また、supersymmetricな拡張を与えることで、NS5 background上のD-braneを調べ、braneのBPS、non-BPSの配位とfuzzy sphere configurationの関係などをtachyon condensationの観点から議論した。
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