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1999 年度 実績報告書

超弦理論におけるブラックホールの量子論的性質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11740161
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

夏梅 誠  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90311125)

キーワードブラックホール / 三次元重力 / 超弦理論 / ブラックホール・エントロピー / コンフォーマル場の理論
研究概要

ブラックホールの半古典的な法則と熱力学の法則の間には、密接な対応がある。たとえば、ホライズンの面積は決して減少しないため、エントロピーのようにふるまう(ブラックホール・エントロピー)。ブラックホール・エントロピーが、統計力学的な意味でのエントロピーであるならば、微視的状態の縮退度として導出できるはずである。
さて、時空が遠方で3次元反ド・ジッター空間に近づくと、無限遠で2次元共形対称性があらわれる。このことから微視的状態の縮退度を見積もることができ、三次元BTZブラックホール解に対してブラックホール・エントロピーが正しく導出されている(Strominger,1998)。
しかし、この方法は実質的にはBTZ解に帰着する解でのみ確かめられている。また、実際に状態を数えているわけではないので、疑問点も多い。問題点の一つは、無限遠での状態を対象にしている点である。しかし、ブラックホール・エントロピーはホライズンの面積に比例する。このためエントロピーには、ホライズンでの状態が寄与していると信じられている。無限遠の知識で導出できたのは、単に3次元重力の特殊性(伝搬する自由度がない)を反映している可能性がある。
そこで今年度は、この方法を3次元重力に他の場が結合している場合に適用した。このようなモデルでは、BTZ解以外にも遠方で3次元反ド・ジッター空間に近づくブラックホール解が存在しうる。一例として、(11)であげた論文では共形結合をするスカラー場の場合を取り上げた。この論文で、この方法はBTZ解以外でもエントロピーの関数形を正しく導出することが明らかにされた。しかし全体の係数までは正しく導出できなかった。これは、この方法が3次元重力の特殊性に依存していることの現れかもしれない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M. Natsume: "Three-Dimensional Gravity with Scalar and Asymptotic Urasoro Algebra"Physical Review D. (出版予定).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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