高密度励起された単一量子井戸ZnS/(ZnSe)_1/ZnSからの発光スペクトルと発光強度は光の放射方向に依存する。ZnSe層の励起電子系による発光スペクトルは高密度励起下で二つのバンドP1とP2に分けられる。高エネルギーバンドP2は光の放射方向に依存する。バンドP2はZns/(ZnSe)_1/ZnS井戸の平面に垂直な方向に発光強度が最も強くて、井戸の平面の垂直方向からの角度(放射角度)が約40度以上になると消えてしまう。発光強度の時間減衰を測定すると、指向性のあるP2発光の寿命はP1より数十倍も早いことが分かった。以前の研究結果によると、ZnSe層からの発光の起因はZnSe/ZnSの界面の粗さから生じたランダムサイズのZnSe量子ドットにあるとされている。ここの励起子の密度はJanとLee(Phys.Rev.B58(1998)1714)の二次元における局在と自由励起子systemのボーズ・アインシュタイン凝縮臨界密度より十分高いである。しかし、ここは励起子の密度が高くて、励起子間の相互作用が考えなければならない。ZnSe/ZnSのconduction band offsetはゼロに近いので、電子は三次元に自由に運動することができ、ホールはZnSeに強く閉じ込められている。ホールと電子(励起子)の再結合の発光の光子エネルギーはホールの量子閉じ込めエネルギーで決定される。強励起の時、ホールとホールの間の相互作用が生じ、ホールのエネルギーに影響を与える。相互作用は主にCoulomb斥力である。Coulomb相互作用のためホールはcollective状態となって電子と再結合するため、一部分の発光が指向性が生じる。量子ドットのサイズ分布が均一になると、指向性のある高エネルギー成分は鋭く強くなる。P2発光はcollective状態からの放射であると考えている。
|