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2000 年度 実績報告書

表面化学吸着分子の内殻励起状態の緩和過程と脱離機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11740176
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

間瀬 一彦  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (40241244)

キーワード表面 / 分子動力学 / 放射光 / オージェ電子分光 / 光電子分光 / 電子-イオン・コインシデンス分光 / 内殻電子励起 / 電子遷移誘起脱離
研究概要

内殻電子励起に由来する表面ダイナミックスの研究は、未開拓の基礎科学として重要であるばかりでなく、光化学、表面分析、放射化学、材料工学など、関連分野にも貢献するものと期待されている。本研究では、表面分子に放射光を照射したときに放出される電子とイオンを、電子のエネルギーを選別し、イオンの質量も選別して、同時に検出する手法(電子-イオン・コインシデンス分光法)を用いて、表面分子の内殻励起に由来するイオン脱離機構の研究を行なった。主な実績は
1.電子とイオンの捕集効率を改善した電子-イオン・コインシデンス分光器を製作し、シグナル/バックグラウンド比を一桁改善した。これによってイオン脱離機構やイオン脱離確率を左右する因子に関して詳細な情報が得られるようになった。
2.凝縮H_2Oの0:1s内殻電子を4a_1非占有軌道に共鳴励起すると1励起電子1内殻正孔状態とスペクテーターオージェ終状態の反発的ポテンシャルに沿ってH^+が脱離する。このとき、4a_1電子がO-H反結合性軌道を占有しているためにイオン脱離確率が著しく増大する。一方、0:1s内殻電子を3p非結合性軌道に共鳴励起するとスペクテーターオージェ過程によって生成する1励起電子2正孔状態を経由してH^+が脱離する。このとき、3p電子が2正孔間反発をシールドするためにイオン脱離確率は減少する。凝縮分子、高分子表面の共鳴励起に由来するイオン脱離はこの2種類の脱離機構で一般的に説明できる、などの知見を得た。
の2点である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Mase, 他3名: ""Ion desorption induced by core-electron transitions studied with electron-ion coincidence spectroscopy""Surface Science. 451. 143-152 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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