• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

モット転移近傍における局所相関とサイト間相関

研究課題

研究課題/領域番号 11740198
研究機関名古屋大学

研究代表者

大野 義章  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40221832)

キーワードモット転移 / 非フェルミ液体 / 1 / N展開 / 無限大次元 / 超伝導 / 厳密対角化
研究概要

モット転移に関する最近の理論研究の成果として、空間次元無限大の理論がある。この理論では、電子の局所相関を表す局所的な自己エネルギーの振動数依存性を厳密に取り扱うため、低エネルギーのコヒーレントな準粒子と高エネルギーのインコヒーレント部分がコンシステントに記述できる。本研究では空間次元無限大の2バンドハバード模型を用いて、以下のことを明らかにした。
(1)チャンネルの自由度をもつ系のモット転移
複数のd電子(またはホール)をもつ原子の基底状態が軌道1重項の場合、軌道の自由度はp電子との混成による中間状態のに現れる。そこで、基底状態のスピン自由度(縮重度N)と、中間状態のチャンネルの自由度(縮重度M)をもつ模型を考える。1/Nのべきの1次までの展開で、自己エネルギーの虚部はM【greater than or equal】2では絶対零度でも有限となり、非フェルミ液体的振舞いを示す。この模型を、空間次元無限大のベーテ格子において1/N展開の1次近似で解いた。チャンネル当たりの電子数n=1のとき、電荷移動エネルギーを変化させることによりモット金属絶縁体転移がおこる。さらに系をモット転移点に近づけると、M=1では有効質量が発散するが、M=2ではキャリヤー数が0となり絶縁体に転移することを示した。
(2)空間次元無限大の2バンドハバード模型の超伝導
この模型の超伝導転移温度を数値的厳密対角化法により調べた。電荷移動型絶縁体のホールドーピングによる金属状態では高い転移温度をもつ超伝導が実現するが、電子ドーピングや、モット=ハバード型では超伝導が抑えられることを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Atsusi Tsuruta: "Fermi Liquid in Degenerate Anderson Lattice"Journal of The Physical Society of Japan. 68・4. 1067-1070 (1999)

  • [文献書誌] Atsusi Tsuruta: "Non-Fermi Liquid in Multichannel Degenerate Anderson Lattice"Journal of The Physical Society of Japan. 68・8. 2491-2494 (1999)

  • [文献書誌] Atsusi Tsuruta: "Fermi liquid and non-Fermi liquid in M-channel N fold degenerate Anderson lattice"Physica B. (発表予定).

  • [文献書誌] Yoshiaki Ono: "Non-Fermi Liquid and Mott Transition in the Multi-Channel Two-Band Hubbard Model in Infinite Dimensions"Physica B. (発表予定).

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi