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1999 年度 実績報告書

重い電子超伝導体UNi_2Al_3の超伝導対関数の決定

研究課題

研究課題/領域番号 11740205
研究機関大阪大学

研究代表者

石田 憲二  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (90243196)

キーワード重い電子超伝導体 / U系化合物 / 核磁気共鳴NMR / UNi_2Al_3
研究概要

核磁気共鳴(NMR、NQR)によるKnight shift(K)、緩和率(I/T_1)の測定から、重い電子系超伝導体UNi_2Al_3(T_c=1K)の超伝導対の同定を行ってきている。現在までに(1)1/T_1の測定から等方的な超伝導ギャップとは異なること、(2)H||abのKの測定から超伝導転移に伴うシフトの変化が見られず、スピン3重項超伝導と考えられること、という結果が得られている。
本年度計画していた、H||cの低磁場におけるNMRの実験から以下の結果が得られた。
1)当初計画していた精密なKの測定は内部磁場による広がりのため出来なかったが、変わりに内部磁場の影響を知ることが出来た。Alサイトの内部磁場は異方的であり内部磁場による広がりはH||cの方がH||abより大きいことことが分かった。またAlサイトでは内部磁場と超伝導は共存していることが分かった。
2)渦糸状態での1/T_1の測定から渦糸状態ではT_1T=一定のコリンハ則が成り立ち、渦糸の中では通常の超伝導体のように、超伝導ギャップが閉じていることが分かった。
2)の結果は異方的超伝導体の渦糸状態の理解につながる重要な結果である。
本年度は0.5K以下で緩和率の測定を行い超伝導ギャップの形状を同定する。また内部磁場の様子からUのモーメントの情報を引き出す。本年度は研究最後の年であり研究の総括を行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Ishida et al.: "Evolution from Magnetism to Unconventional Superconductivity in a series of CexCu_2Si_2"Physical Review Letters. 82. 5353-5356 (1999)

  • [文献書誌] H.Mukuda,K.Ishida etal.: "Spin-fluctuations in the ruthenium oxide, RuO_2, SrRuO_3 CaRuO_3 and Sr_2RuO_4 probed by RuNMR"Phycical Review B. 60. 12279-12285 (1999)

  • [文献書誌] K.Ishida et al.: "NMR study of high-Tc superconductors and related materials"Physica B. 259-261. 511-516 (1999)

  • [文献書誌] K.Ishida et al.: "Pseudogap behavior in single crystals of Bi_2Sr_2CaCu_2O_8"Physica B. 259-261. 559-561 (1999)

  • [文献書誌] K.Ishida et al.: "Spin-triplet superconductivity in Sr_2RuO_4 identified by 70 Knight shift"Nature. 396. 658-660 (1998)

  • [文献書誌] K.Ishida et al.: "Ru NMR and NQR probes of the metamagnetic transition in CeRu_2Si_2"Physical Review B. 57. R11054 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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