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1999 年度 実績報告書

比熱測定による低次元性を持つ酸化物の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11740208
研究機関鹿児島大学

研究代表者

廣井 政彦  鹿児島大学, 理学部, 助教授 (80212174)

キーワード比熱 / 酸化物 / 低次元 / 超伝導 / 強磁性
研究概要

今年度は初年度であり、測定装置の整備に力を注いだ。まず、この研究に最も必要な比熱装置の製作を行った。〜1.8Kから〜50K程度の温度範囲で測定可能な通常の低温断熱法比熱装置を製作した。また、試料の電気伝導の性質や超伝導転移の有無を調べるために、室温から〜1.6Kまで測定可能な抵抗測定装置を製作した。これらは、一部まだ測定可能になってないが、おおよそ測定できる状態になった。試料としては、梯子構造を持った銅酸化物Sr_<14-x>Ca_xCu_<24>O_<41>や強磁性と共存する銅酸化物超伝導体として注目されている(ReCe)_2RuSr_2Cu_2O_<10>などの試料作成を行いつつ、試料作成の環境を整えていった。Sr_<14-x>Ca_xCu_<24>O_<41>については、燒結体試料でx=9の試料まで作り、文献に報告されているような性質を格子定数、電気抵抗を示した。この作製は、この系統の物質を作るための、次年度以降の基礎になる。また、(Re_<1-x>Ce_x)_2RuSr_2Cu_2O_<10>についてはまだ超伝導化に成功していないが、酸素アニールなどの試料製作の環境は整いつつある。また、他所との共同研究により、Sr_<14-x>Ca_xCu_<24>O_<41>の磁場中比熱について測定した。x=11.5の試料で圧力下において超伝導転移することがわかっているが、その試料において常圧下で〜2.2Kにおいて反強磁性転移をする。この物質はスピンギャップを持ち、その中での反強磁性転移という特異なものであり、興味深い。この転移温度近傍で磁場中比熱を測定し、この転移が熱力学的には通常の反強磁性転移のように磁場の増加とともに転移温度が減少することを確かめた。また、x=0.8.10の試料についても測定し、磁場によって比熱が小さくなること見出した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Nagata et al.: "Antiferromagnetic ordering in the spin singlet state of the ladder/chain material"Journal of the Physical Society of Japan. 68・7. 2206-2209 (1999)

  • [文献書誌] S.Kobayashi et al.: "Antiferro multipolar short range oeder above the antiferro-quatrupolar ordering femperature in CeB6"Journal of the Physical Society of Japan. 68・10. 3407-3412 (1999)

  • [文献書誌] M.Hiroi et al.: "Antiferromagnetic transition in Sr_<14-x>Ca_xCu_<24>O_<41> investigated by specific heat measurements"Journal of Low Temperature Physics. 117・5/6. 1677-1681 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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