平成11年度は2年計画の初年度であり種々の準備的研究に時間を割く必要があったが、裏面の通り順調、着実に成果を発表することができた。 まず粉体内部の摩擦力の差異がもたらす相分離に着目し、その現象論を構築し実験結果を説明することに成功した。次に粉体層に剪断応力をかけたときのスティック・スリップ運動を説明する現象論を導入し、その結果実験での多くの謎が解決された。また同じ問題に対して微視的な離散要素法によるシミュレーションも行い、マクロな現象論とミクロな動力学の架橋が可能になった。更に遅い粉体流に生じる摩擦を極性流体の考えに基づき解析し、流体力学の拡張によって粉体流の特徴づけが可能になりつつある。 これらの成果は論文だけでなく論文選集、一般書でも紹介され世間の耳目を集めるに足るものであった。
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