研究概要 |
1989年に打ち上げられた科学探査衛星 EXOS-D(あけぼの)に搭載されている,プラズマ能動実験装置を備えた高周波プラズマ波動観測装置を用いて,科学衛星の近傍のプラズマ環境の計測を継続的に実施している. 現在,当初予定していた,衛星軌道情報,衛星姿勢情報,高周波プラズマ波動観測装置の運用ステイタス,プラズマ能動実験装置によるイオノグラムデータ4つに,宇宙科学研究所から提供された低エネルギー粒子計測器(LEP)のデータを加えて,高周波の電磁波動を励起する可能性のある粒子を検索するデータベースに拡張することを検討している. 本年度は観測されたイオノグラムデータから観測を実施した全衛星軌道に関して,観測時刻・電子プラズマ共鳴周波数及び電子密度の組のファイルを作成完了する予定であったが,抽出された周波数の値について読み取りの精度が低く,そのままではデータの信頼性が低くなるケースが多いことが障害となっている.また,計測された電子密度の変動が激しいことから,空間的な標準モデルを作成するためには,時間的変動と空間的変動を分離する手段について検討を要することが明らかとなった.
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