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1999 年度 実績報告書

ヘテロバイメタリッククラスタ-の触媒作用に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11740335
研究機関早稲田大学

研究代表者

中井 浩巳  早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00243056)

キーワードヘテロバイメタリッククラスター / 触媒作用 / 理論的研究 / 非経験的分子軌道法 / Cu / ZnO固体触媒 / Ru(II)-Sn(II)二核錯体触媒 / メタノール合成 / 酢酸合成
研究概要

本研究では、(1)Cu/Zn0触媒によるメタノール合成と(2)Ru(II)-Sn(II)二核錯体触媒による酢酸合成を取り上げ、触媒作用のメカニズムを理論的に解明することを目指した。研究(1)では、吸着フォーメートの水素化反応を理論的に検討した。Cu-CuサイトおよびCu-Znサイトに結合したフォーメートの振動スペクトルを理論的に調べた結果、Zn/Cu(111)表面に特異な吸着フォーメートのスペクトルは、Cu-Znサイト、つまりCuとZnに橋掛けした構造であることが明らかとなった。吸着フォルメイトの水素化過程では、ギ酸は生成されずジオキソメチレンを経由しメトキシが生成されることがわかった。更に、この水素化過程で最も不安定な中間体であるジオキソメチレンは、Cu-Cuサイトに結合するより、Cu-Znサイトに結合した方が活性化されることも理論的に示された。研究(2)では、酢酸合成で重要なメチル・フォーメート型中間体の構造・安定性や反応性について研究した。Ru(II)-Sn(II)複核錯体上のフォーメートの安定構造には、Ruにバイデンテート型で結合した中間体とRuとSnに橋掛けした中間体が存在した。RuとSnに橋掛けした中間体は反応物に比べて安定であるにもかかわらず、ヒドリド・アセタト型錯体への異性化も容易であることが示された。一方、Ru(II)単核錯体では、フォーメートがRuにバイデンテート型で結合した中間体しか存在せず、活性中間体は得られなかった。上記のように本研究では、固体触媒における金属触媒-助触媒間結合や複核金属錯体における異種金属間結合が触媒反応に果たす多種多様な機能を明らかにすることができ、今後の理論主導による触媒設計への第一歩となるものと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Nakai,M.Kawai: "Nature of the change in the rotational barrier of the methyl group due to S_0 →S_1 excitation"Chem.Phys.Lett.. 307. 272-276 (1999)

  • [文献書誌] T.Homma,H.Nakai,M.Onishi,T.Osaka: "Ab Initio Molecular Orbital Study on the Oxidation Mechanism for Dimethylamine Borane as a Reductant for an Electroless Deposition Proscess"J.Phys.Chem.B. 103(10). 1774-1778 (1999)

  • [文献書誌] H.Nakai,Y.Kawamura: "π^*-σ^* hyperconjugation mechanism on the rotational barrier of the methyl group (II):1-and 2-methylnaphthalenes in the S_0,S_1,C_0,and A_1 states"Chem.Phys.Lett.. 318. 298-304 (2000)

  • [文献書誌] H.Nakai,T.Goto,Y.Okada,T.Orii,K.Takeuchi,M.Ichihashi,T.Kondow: "Theoretical Study on Ammonia Cluster Ions:Nature of Kinetic Magic Number"J.Chem.Phys.. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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