二つのポルフィリンをジアリールエンテで架橋した分子の合成に成功した。ここでは、ジホルミル置換ジアリールエテンとジピロメタン及びベンズアルデヒドとの酸触媒の環化反応において、一挙にジアリールエテン架橋型ポルフィリン2量体、3量体、4量体などの多量化反応が進行することを確認した。 次にここで得られたジアリールエテン架橋ポルフィリン2量体を用いて光照射によるジアリールエテンの異性化反応について検討した。ポルフィリン部位とジアリールエテン部位を様々なスペーサーで結合させた2量体を合成し、その光異性化挙動を行った結果、直接結合、あるいは1.4フェニレンをスペーサーに持つ場合は励起ジアリールエテンからポルフィリンへの速い励起エネルギー移動のために異性化が起こらないことが分かった。一方、ジフェニルエチニルで架橋した場合は効率よく光異性化が進行することが分かった。
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