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2000 年度 実績報告書

らせんの伸縮に基づくヘリカル超分子形成と機能・物性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11740353
研究機関和歌山大学

研究代表者

大須賀 秀次  和歌山大学, システム工学部, 講師 (50304184)

キーワードヘテロヘリセン / 光学活性 / らせん化合物 / P体 / M体 / 分子認識 / 包接化合物 / 光学分割
研究概要

これまでの我々の研究の中で、さまざまな溶媒から再結晶して得たヘリセンジオールの包接結晶や超分子結晶の構造をX線結晶構造解析によって明らかにしてきた。取り込んだ溶媒の種類やヘリセンジオールの立体構造で超分子構造は大きく異なり、ヘリセン骨格の構造も大きく変化する。
これらの結果から、ヘリセンジオールがまわりの環境に応じて構造を大きく変化させ、分子バネとして機能していることがわかった。しかしこのヘリセンジオールはヘリセン同士で水素結合により会合する傾向が非常に強く、分子の取り込み能はそれほど高いものではなかった。そこで、ヒドロキシル基のまわりをかさ高くすることによってヘリセン同士の水素結合を抑制するため、ジフェニルヒドロキシメチル基の導入を計画した。
モデル化合物としてまずベンゾジチオフェンにn-ブチルリチウムを1当量もしくは2当量作用させることにより、モノもしくはジリチオ体を生成させ、その後ベンゾフェノンと反応させることにより、モノ置換体(1)およびビス置換体(2)を良好な収率で得た。また、無置換の[7]チアヘテロヘリセンから同様の手法で目的のビスジフェニルヒドロキシメチル[7]チアヘテロヘリセンを得た。
化合物1をアセトンから再結晶したところ、アセトンを結晶中に含んだクラスレートが得られたため、X線結晶構造解析を行った。化合物1はアセトンとの親和性が非常に高く、ごくわずかでもアセトンが入っていると選択的にアセトンを取り込むという実験結果が得られている。詳細については現在検討中である。
また、ヘリセン3についてはエタノール-クロロホルムから単結晶が得られ、結晶中にエタノールとクロロホルムの溶媒が包接されていることが明らかとなった。また、予測通り結晶内ではヘリセン同士の水素結合による会合が抑制されていることがわかり、有機分子の取り込み能が向上することが期待できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kazuhiko Tanaka 他2名: "Clathrate Formation by and Self-Assembled Supramolecular Structures of a "Molecular Spring""Journal of Chemical Society, Perkin Transactions 2. (12). 2492-2497 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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