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1999 年度 実績報告書

分子認識部位を有するルテニウム錯体の合成とその炭化水素酸化反応への応用

研究課題

研究課題/領域番号 11740373
研究機関九州大学

研究代表者

小島 隆彦  九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20264012)

キーワードルテニウム錯体 / ピリジルアミン配位子 / 分子認識 / 酸化還元
研究概要

筆者は分子認識部位として2-ナフトイルアミド基を2つ有するトリス(2-ピリジルメチル)アミン(TPA)誘導体を有するルテニウム(II)錯体[RuCl((2一naph)_2-TPA)]PF_6(1)の結晶構造を明らかにした。この錯体は先に筆者らにより合成され構造決定された1-ナフトイルアミド基を有する錯体[RuCl((1-naph)_2-TPA)]PF_6(2)の場合と異なり、その分子内π-π相互作用に温度依存性があることが明らかとなった。このことは芳香環のトポロジーにより分子認識挙動に差異を生じせしめることが可能であることを示す。錯体1及び2をアセトニトリル中硝酸銀で処理し、塩化物イオンを除去した錯体とジベンゾイルアセトン(Hdbm)及びベンゾイルアセトン(Hbza)などのβ-ジケトンを反応させると、配位子の配位アミドカルボニルの乖離を誘発し、β-ジケトナトが2座配位した混合配位子錯体を与えることが明らかとなった。錯体2について、[Ru(dbm)((1-naph)_2-TPA)]PF_6及び[Ru(bza)((1-naph)_2-TPA)]PF_6を合成したところ、dbmのフェニル基の一つが2つのナフタレン環の間にπ-πstackingし、bzaの場合は主にメチル基がナフタレン環の間に包接されることがそれぞれのNMRスペクトルから推定された。これらのことから、錯体1及び2の分子認識部位にゲスト分子が相互作用することが示された。 一方、錯体2をCe(IV)イオンで酸化して単核Ru(III)錯体とした場合、その錯体がルチジン誘導体からの電子移動によりもとのRu(II)錯体に還元され、その速度がルチジン誘導体のHOMOレベルと相関があることが明らかとなった。なお、その錯体1の酸化体の単離を行い、そのESI-MSスペクトルから基本組成に変化なく1電子酸化を受けることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Kojima,H.Matsuo,Y.Matsuda: "Catalytic hydrocarbon oxygenation by ruthenium-pyridylamine complexes with alkyl hydroperoxides : a mechanistic insight"Inorganica Chimica Acta. 300. (2000)

  • [文献書誌] T.Ma,T.Kojima,Y.Matsuda: "An Efficient Method for Synthesis of 4,5-Disubstituted Catechols"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 73. (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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