研究概要 |
本研究期間では、測定ガスと共存ガス間の競争反応や高濃度ガスでのセンサ応答の飽和現象を、非線形ダイナミクスを指標とした化学分析法により、実験的及び理論的な評価を行った。 (1)湿度や二酸化炭素等、センサ応答における妨害物質共存下で測定を行い、共存下の非線形応答から妨害物質の応答を削除し、特定ガスの定性・定量を行った(化学工学論文集1999)。またガスの流速変化、周期的温度変化及び周波数変化、複数センサの使用等、多くの物理化学パラメータの変動を利用して情報量を増すことで、検出ガスと妨害物質との非線形応答の違いを増幅した(Analyst 1999,2000,SPIE1999)。 (2)複数ガス主間の競争反応や高濃度ガスでのセンサ応答の飽和に関する実験を行い、これらの効果を信号処理に含ませたガス検出の評価を行った。また非線形応答のダイナミクスを明らかにするために、計算機シミュレーションにより反応速度-センサ応答-摂動温度の関係を明らかにした。(Instru.Sci.Technol.2000) (3)ガスクロマトグラフィーにより、反応物質の反応過程を追及した。(現在データ集約中) (4)非線形応答の半導体素子の機能性を高めるための基礎研究として非一様な反応場におけるベクトルプロセスの実験を行った。(J.Phys.Chem.B2000,Chem.Phys.Lett.投稿中、CPPC投稿中)
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