研究概要 |
非線形光学効果であるコヒーレントアンチストークスラマン拡散を用いた光学顕微鏡(CARS顕微鏡)の結像特性理論について詳細に検討し,結像特性を定式化した.検出器側にピンホールを配置しなくても,非線形光学効果によって3次元分解能を持つことを示し,検出器側ピンホールの効果について詳細に検討した。ピンホールを除いた場合,ピンホールを配置した時と比べてどの程度3次元分解能が悪化するのか,励起側および観測側の対物レンズの開口数が励起側の対物レンズの開口数と同じかより小さい場合には,CARS顕微鏡の3次元分解能は,ピンホールを配置しなくてもほとんど変化しないことが分かった。 また,励起光源にナノ秒YAGレーザと色素レーザを用いた装置を開発し奥行き方向の分解能で1.82ミクロンが達成された.さらに励起光源にチタンサファイアピコ秒モードロックレーザと光学的パラメトリック増幅器を用いたシステムを開発し,直径1ミクロンのポリスチレンビーズの指紋領域(約1000cm^<-1>のラマンシフトでのCARS像を得ることに成功した.今後,開発した装置を用いて生物試料の観測を行っていく.
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