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1999 年度 実績報告書

大脳でのサイズスケーリングに基づく色覚空間特性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 11750046
研究機関立命館大学

研究代表者

篠田 博之  立命館大学, 理工学部, 助教授 (40278495)

キーワード視覚情報処理 / 知覚 / 認知 / 大脳 / 色彩
研究概要

これまでに我々は、輻輳角を操作して網膜像の大きさを保ったまま「大きさ」感のみを変えることのできるテレステレオスコープ光学系を用いて、視力(視覚系の解像限界)が大脳レベルの知覚サイズによって決まることを証明した(H.Shinoda & M.Ikeda,OPTICAL REVIEW,vol.5,No.1,pp65-68(1998))。「色同化」は空間的に細かな色パターンで生じる現象であるが、本研究の目的は、この色同化現象を決定しているのは網膜像の物理的なサイズと知覚サイズのどちらであるのかを検討することにある。
1.テレステレオスコープを用いて知覚サイズを変え、そのときの液晶モニタ上に呈示された色格子の色の見えの変化をカラーマッチング法により測定した。結果から、色格子の網膜サイズを一定に保っていても知覚サイズが小さくなると各色縞の見えが色同化の方向に変化することが示された(2000年度冬期日本視覚学会にて発表)。
2.水晶体調節は輻輳角に協応して変化するため、上記1の色変化が不適切な調節による光学的なぼけによる可能性がある。そこで、輻輳距離が光学距離に(A)等しい場合、(B)遠い場合、(C)近い場合で色格子の色の変化をカラーマッチングで測定し光学的ぼけの影響を検討した。ぼけが原因ならば(B)も(C)と同様に同化の方向に色が変化するはずであるが、結果は逆で、(B)では色同化とは逆の方向に色が変化した。これにより色の変化が像のぼけではなく、知覚サイズによるものであることが確認された(日本色彩学会第31回全国大会にて発表予定)。
上記1および2より、色同化現象も、網膜上での物理的なサイズではなく、大脳での知覚サイズにより決定されることが示された。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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