本年度は下記のように研究を行った。 1.昨年度、Ce^<3+>イオンをドープしたLiCAF等の各種レーザー結晶の各種特性(蛍光寿命、誘導放出散乱断面積)を評価した。結晶は、東北大学金属材料研究所の福田教授とロシア共和国カザン大学のダビンスキイ博士が育成にあたり、新しく作製された大型結晶を簡便なレーザー共振器を構成し、高エネルギー抽出の実験を行った。 2.本年度は、その情報をもとにパルス幅100ピコ秒程度の再生増幅YAGレーザーシステムの第4高波長を励起源としたCe^<3+>ドープ結晶を用いてQ値の低い短発振器(パルス注入発振器)を設計した。励起密度を最適化することによりできるだけパルス幅の短い単一パルスを発生させた。(1ピコ秒、10μJ)。この様にして開発された発振器をチャープパルス発振/増幅器システムに組み込んだ。 3.チタンサファイアで申請者らが開発した共焦点多重光路増幅の工学系設計を工夫して新紫外レーザーに適用して、チャープパルス増幅取り出しエネルギーの増加を計り、超短パルス増幅と高エネルギー抽出を同時に実現した。
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