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1999 年度 実績報告書

拡張ランダムシステムに対する効率化シミュレーションとその実用的応用

研究課題

研究課題/領域番号 11750057
研究機関京都大学

研究代表者

田中 泰明  京都大学, 大学院・情報学研究科, 助教授 (90217068)

キーワード確率システム / 確率微分方程式 / シミュレーション / 重点サンプリング法 / 分散減少法 / 信頼性 / 複合ポアソン過程
研究概要

本研究では,拡張された半マルチンゲールが駆動する確率システムの挙動解析に対する効率的シミュレーション解法の開発とその実用的応用について考察を行い,以下のような結果を得た。
1.マルチンゲール変換理論において広く知られているGirsanov-Meyerの定理を活用することにより,複合ポアソン過程が駆動する確率システムの挙動解析の効率化に結びつく確率測度変換の導出に成功した。またそれに基づいて,そのようなシステムの解過程の初到達問題等の実用上重要な問題に対する重点サンプリングシミュレーションスキームの開発を行った。この結果,申請者の過去の研究における成果(ウィーナー過程が駆動するシステムに対する重点サンプリングスキームの開発)を組み入れることにより,より一般的なLevy過程が駆動する確率システムの解析に対して有効となると期待できる確率測度変換およびそれに対応した重点サンプリングシミュレーションスキームの構築が可能であることが明らかになった。
2.評価対象が初到達確率となる場合を中心に確率測度の最適な変換法について考察を行い,重点サンプリングシミュレーション下で約5割のサンプルが到達集合に到達すること,および測度変換におけるRadon-Nikodymの導関数の分散が最小となること,の2点がシミュレーションを効率化する上で重要となることを見いだした。また,いくつかの数値例を通じて,本研究での提案スキームにより極めて微小な初到達確率を非常に精度よく推定できることを検証した。このことは例えば重要システムの信頼性解析において極めて意義深いことであると考えられる。
3.確率的疲労き裂成長モデルや,金融理論と保険理論の融合モデル等に構築したスキームを具体的に適用し,それが有効であることを確認した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hiroaki Tanaka: "Importance Sampling Simulation for a Stochastic Fatigue Crack Growth Model"Applications of Statistics and Probability(Proc.of ICASP8*1999). 2. 907-914 (1999)

  • [文献書誌] 田中 泰明: "システム信頼性解析における効率的シミュレーション解法"日本応用数理学会誌. (掲載予定). (2000)

  • [文献書誌] Hiroaki Tanaka: "Importance Sampling Simulation for Compound Poisson Processes"Proc.of MCS2000. (掲載予定). (2000)

  • [文献書誌] 田中 泰明: "株価指数オプションの価格評価と相関分析"システム制御情報学会論文誌. 12・7. 379-389 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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