研究概要 |
近年,光学機器の高精度化のため,さまざまな光学系で非球面形状を持つレンズやミラーが利用されるようになっており,その光学設計/製作/応用研究が重要視されている.このような状況の中で,申請者は,非球面形状を迅速に測定する目的のために,透過型の液晶パネルに表示したパターンをゾーンプレート原器としたゾーンプレート干渉計を提案した.しかし,液晶の解像度あるいは画素数の低さから十分な測定ができないでいる.現在,ウエアラブルパソコンの需要からマイクロディスプレイの開発が活発になりつつあるが,液晶の解像度の急激な向上は望めない状況である.そこで,本研究では,現在入手可能な液晶を複数組み合わせることで,液晶の見かけの性能を向上させることを提案する.本年度は,同一の解像度を持つ液晶パネルを複数組み合わせたゾーンプレート干渉計を製作する.そして,複数の液晶パネルを組み合わせた際に生ずる問題点を検討することを目的とした.最初に,2枚の液晶パネルの配置方法について検討を行い,2枚の同一解像度を持つ液晶ゾーンプレート干渉計の製作を行った.また,利用する液晶の枚数を3枚,4枚と増加させた場合についても検討を行った.これらの干渉計の設計/製作によって,液晶パネルの構造上,避けることのできない測定不能領域の問題,液晶パネルの配置誤差による測定結果への影響等,解決しなければならないいくつかの問題を挙げることができた.来年度は,製作を行った干渉計を用いた実験を行い,そこで得られる問題点の列挙,その解決方法について検討を行う.また,解像度の異なる液晶パネルを組み合わせたゾーンプレート干渉計についても検討を行い,その製作/実験を行う予定である.
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