研究概要 |
あらかじめ作成されたスケジュールに,機械の故障や特急ジョブの発生といった予期できない変更が生じた場合,階層分散型生産システムの全構成要素のスケジュール間で整合性を保持しながら,最上位階層の全体の納期を満たすように,迅速にスケジュールを変更(リスケジューリング)しなければならない.本研究では,階層分散型生産システムのスケジュール間の整合性を保持しながら,納期を満たすように,全ての階層で同時・並列にリスケジューリングを行う手法を提案した.結果を以下にまとめる. 1階層分散型生産システムのスケジュールモデルの構成要素として,7つのオブジェクトを定義し,その要素間の関係式を示した.この関係を満たすことで,スケジュール間の整合性が保持できる. 2階層分散型生産システムのスケジュール間の整合性を保持しながら,同時・並列にリスケジューリングする手法を提案した.ここでは,スケジュールの遅延を認識した後,増大した総処理時間を上位階層に伝達する.次に,各階層で同時・並列にリスケジューリングを行い,ジョブの適切な処理順序を求める.改善された総処理時間を上位階層に伝達する. 3オブジェクト指向言語Small talkを用いて,リスケジューリングシステムのプロトタイプを作成した.最適なスケジュールを求めるプログラムモジュールとして,遺伝的アルゴリズムとジョンソン法を用いたプログラムモジュールを作成し,リスケジューリング問題に適用した.
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