研究概要 |
本研究の目的は「条件付二点相関法」を用いて,乱流組織構造の時間的非定常構造の空間分布を明らかにすることである。 平成12年度は4本のX-Wireプローブによる8チャンネル速度変動同時測定を行い、正方形板後流の組織構造について調べた。測定位置は主流に対して垂直方向の後流中心付近、および速度分布の変曲点付近である。また同スケールの正方形板後流の数値シミュレーション(使用ソフトウェア、NAGARE3D)も行った。本研究で得られた知見を以下に示す。 1. 速度変動u、v成分の相互相関マトリクスを求めた結果、後流中心付近のv方向成分に高い相関があることがわかった。 2. 相互相関マトリクスに基づいた条件付2点相関法の解析から、後流中心付近、変曲点付近の速度変動を抽出条件としても、明確な組織構造は抽出されないことがわかった。このことから正方形板後流には後流中心をまたぐような大きな組織構造は存在しないこと、また正方形板後流の構造を決定づける特徴的な速度変動が、今回の測定位置には存在しないことが考えられる。 3. 数値シミュレーション(使用ソフトウェア、NAGARE3D)の結果からは、ヘアピン状の渦構造が抽出された。このヘアピン渦構造は後流中心をまたいで存在しており、条件付2点相関法と矛盾する結果となった。 4. 数値シミュレーションの速度変動には、渦放出周波数の約10倍の非定常変動が抽出された。
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