研究概要 |
本研究では,ベクトル・レベルのidentityを通して差分誤差の影響がモデル・パラメータの値に直接反映されるLESの新たなSGSモデルを提案した.まず,従来のダイナミックSGSモデルであるダイナミック・スマゴリンスキーモデル(DSM)にベクトル・レベルのidentityを導入したモデル(VDSM)を構成した.次に,空間2次,4次,8次および12次精度の対流項差分を用いた平板チャネル乱流のLESコードへVDSMを組み込み計算コードを完成させた.さらに,DSMおよびVDSMを用いて平板チャネル乱流のLESを実行した.統計平均量の計算結果の比較から格子解像度に対する計算結果の依存性はDSMよりもVDSMの方が少ないことが確認され,ベクトル・レベルのidentityを使用するSGSモデルの有効性が示された. 本研究成果の公表については,日本機械学会論文集(B編)への投稿を現在準備中である.
|