本年度は空気圧サーボ弁とシリンダで構成される立ち上がり動作を介助する2軸の空気圧ロボットアームを開発、制御実験を行い、以下のことを明らかにした。 ・空気圧シリンダの制御に使用する高速駆動が可能な直動型サーボ弁の静特性と動特性を報告者らが提案した等温化圧力容器を用いた流量計測法で計測した。その結果、空気圧サーボ弁がオーバラップ特性を有していることを明らかにした。また100Hzまでは十分駆動が可能であることが分かった。 ・空気圧サーボ弁のオーバラップ特性およびシリンダの摩擦特性はシリンダを正弦波状に駆動する場合に悪影響を及ぼすことを明らかにした。特に正弦波の山と谷で影響が大きいことが分かった。その改善方法として制御則に繰返し制御を用いることが有効であることを実験によって明らかにした。 ・空気圧シリンダを用いた2軸の介護用ロボットアームを設計製作した。シリンダの先端では最大600Nの力を発生できるように設計し、フレームの材質にはアルミを用い、アルミ溶接を多用することで部品点数の削減、軽量化を図った。 ・介護用ロボットの制御則としてスティッフネス制御を用いた実験を行った。健常者に対して1軸のみを駆動し立ち上がり動作をアシストする実験を行った。またその際に被験者の膝、腰の角度を測定し、膝で発生しているトルクを推定することでロボットの性能評価を行った。その結果、立ち上がり動作中、最大100%、平均80%までのアシストが実現できることを明らかにした。
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