研究概要 |
本研究は,人間の運動制御技能を実現できる超高速マニピュレータとしての非駆動関節とフレキシブルアームを持つ超高速マニピュレータの制御法の研究開発を目的としている.本年度では,非駆動関節の拘束条件とクラブシャフトのフレシビリティを考慮したゴルフスイングロボットの最適軌道生成法に関する研究,非駆動関節のグリッパの試作と学習制御の実験を行い,以下の成果を得た. 1)クラブシャフトのフレキシビリティ,非駆動関節によるクラブの固定状態と自由回転状態の遷移などを考慮してマニピュレータのモデルを作成し,クラブシャフトのフレキシビリティを生かした効率のよい加速を実現するための最適軌道の生成方法を検討し,シミュレーションによりその有効性を確認した. 2)非駆動関節のためにグリップ圧力,グリップ特性(ばね定数と減衰係数)と加圧分布が変更可能なグリッパを試作し,クラブシャフトの4箇所にひずみゲージを貼り,クラブヘッドに3軸加速度計を取り付けて,クラブの振動と関節に伝わる反力を計測して評価し,人間のグリップ特性に近いグリップをシミュレートすることが可能となった. 3)非駆動関節にブレーキの変わりにストッパを取り付け,機構的に一方向の固定と他方光への自由回転を可能とした.この機構において,人間のようなフィードバック誤差学習制御を導入してスイング実験を行った結果,クラブシャフトのフレキシビリティの低次モードによる影響を補償でき,スイング運動の精度が向上できた.
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