本研究はテレ-マニピュレーション研究の原点に戻って、人間の巧みな作業スキルをいかに機械に伝え、望ましい作業を実現するようにマスター・スレーブロボットを制御するかについて検討した。本年度は、まず、テレ-マニピュレーションに関する理論的な考察を行い、同時に関係する実験システムを構築できた。その結果、以下の成果を得た: 1) 近年における国内外のテレ-マニピュレーション研究について調査研究を行い、得られた理論結果と残された問題点について整理をした。ここでは、テレ-マニピュレーションシステム特有の通信時間遅れについて注目をし、国際会議上で準最適制御方式を発表した。 2) 単台及び両腕協調制御のテレ・オペレーション実験システムを構築できた。 3) テレ-マニピュレーションシステムを人間・機械系として捉え、システム制御設計と人間の作業能力との関係を計算機シミュレーションで検討した。 以上の結果を踏まえて、来年度は本格的な実機実験研究を行う予定である。
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