本研究では、電気自動車に適用する事を念頭に置き、ソフトスイッチング技術(回路構成、およびその制御法)を開発する事を目的とする。 本年度は、下記の点に関する検討を行った。 1.ソフトスイッチング方式に関する損失解析に基づいた補助共振素子の設計手法 2.三相共振スナバインバータに適したキャリア比較PWM方式 1.では、ソフトスイッチング時の各動作モードにおける損失を導出し、LCコンポーネントと全損失の関係を検討して設計手法の提案を行った。この結果は、平成11年8月の電気学会産業応用部門大会にて、"共振スナバインバータの電力損失に関する一考察"として発表を行った。 また、2.に関しては、キャリア比較型のPWM方式は、機器への実装は容易であるが、そのままでは、ゼロ電圧スイッチング条件を満足しない状態があるため共振スナバインバータヘの適用が出来ない。そこで、改良型キャリア比較PWM方式の提案を行った。シミュレーションにより提案制御法を用いた共振スナバインバータと従来のハードスイッチングインバータの効率比較を行った結果、数%の効率改善がみられた。これについては、平成12年4月に開催される、The 2000 International Power Electronics Conferenceにて"A Novel Control Strategy for Three-Phase Resonant Snubber Based Soft-Switching Inverters"として発表する。 次年度は、提案制御方式と他の方式との特性比較および実験による検証等を行う予定である。
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